鹿島アントラーズ、鈴木優磨の「正解ではない」発言が示す柔軟性の重要性
鹿島アントラーズ、鈴木優磨の「正解ではない」発言に見るサッカー哲学の重要性
鈴木の発言は一見すると矛盾しているように思えます。しかし、彼が伝えたかったのは、サッカーにおける柔軟性の重要性です。鬼木監督はかつて川崎フロンターレで、相手の動きを見てプレーすることの重要性を強調していました。単に技術力が高いだけではなく、相手を見ながら柔軟にプレーすることで、相手の隙をついていくというスタイルが功を奏していました。
チームの課題と鈴木優磨の影響力
鬼木監督が新たに指導する鹿島では、これまでの概念を打ち破り、新しいスタイルを試みています。しかし、岡山戦では、その試みが裏目に出る場面が多く見られました。特に、最終ラインからのビルドアップがプレッシャーに屈し、失点が相次ぎました。鈴木は試合後に「相手を見てプレーする選手が少ない」と指摘し、柔軟性の欠如を感じさせました。
鈴木優磨自身、ベルギーのシント=トロイデンでの経験を通して、国際舞台でも通用するクオリティを証明しました。彼の復帰後、鹿島での活躍は目覚ましく、2024シーズンは42試合で16ゴール9アシストを記録するなど、チームにとって不可欠な存在です。しかし、彼の個人技が光る一方で、チームとしての戦術がまだ成熟していないことが、今回の試合で露呈しました。
鹿島アントラーズの未来と鈴木の役割
鹿島アントラーズは、宮崎キャンプでの成果をもとに、さらなる成長を目指しています。鬼木監督は「サッカーに対する時間が増えている」と、選手たちの姿勢に手応えを感じています。居残り練習を行う選手たちの姿勢は、チーム全体のレベルアップを目指す意識の高さを表しています。しかし、対外試合の結果が示す通り、まだ多くの課題が残されています。
鈴木優磨の存在は、チームの攻撃を牽引する重要な要素であり続けますが、彼が指摘するように、個々の技術だけでは勝利を掴むことはできません。相手を見て、状況に応じたプレーをすることが、鹿島アントラーズが次のステップに進むための鍵となるでしょう。
[山本 菜々子]