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2025年01月31日 19時21分

映画『遺書、公開。』が描く序列社会の闇とキャストの舞台裏

映画『遺書、公開。』が描く序列社会の闇と、キャストたちの舞台裏

映画『遺書、公開。』が今年話題を集めています。この作品は、陽東太郎氏の同名漫画を原作に、脚本を鈴木おさむ氏、監督を英勉氏が手掛けた実写映画です。物語は、序列が厳格に定められた高校の2年D組を舞台に、生徒の自殺から始まります。彼女が残した遺書がクラスメイトたちに届き、それを公開することで彼らの本音が暴かれていくというミステリーです。

この作品は、序列社会がもたらすプレッシャーとそれによる人間関係の歪みを描き出しており、観る者に鋭い問いを投げかけます。そのキャスト陣は、THE RAMPAGEの吉野北人さん、IMP.の松井奏さん、そして堀未央奈さんなど、多彩な顔ぶれで構成されています。彼らの演技を通じて、観客は物語の中に引き込まれ、その中に潜む人間の闇を追体験することとなります。

初の映画出演で学んだこと

IMP.の松井奏さんは、本作で映画初出演を果たしました。映画の舞台挨拶では、初めての映画撮影に感動したと語っています。「本番前まで普通にしゃべっているのに、カチンコが鳴ると空気がガラッと変わるんです。役者の方ってスゲーなと思いました」と、プロの俳優たちへのリスペクトを隠しませんでした。また、監督の指示や撮影現場の独特な雰囲気に触れ、「芸能人になったみたいだ」と、夢見ていた世界に足を踏み入れた喜びを実感したそうです。

一方で、主演を務めた吉野北人さんも、舞台挨拶で「キャスト25名、本当に大変な思いをしながら制作した作品です」と語り、作品への思いを述べました。しかし、長年ミュージシャンとして活動してきた彼は、無意識のうちに「楽曲」と言い間違えてしまい、共演者たちから総ツッコミを受ける一幕もありました。これもまた舞台挨拶ならではの和やかなエピソードであり、キャスト同士の仲の良さを感じさせます。

舞台裏でのキャストたちの関係性

映画の撮影期間中、キャストたちの間にはさまざまな交流があったようです。宮世琉弥さんは、吉野さんと松井さんがテーマパークに行った話を聞いて、「俺は誘われなかったな」と冗談交じりに語り、和気あいあいとした様子が伺えました。こうしたキャスト同士のエピソードは、映画の中での緊張感あるストーリーとは対照的で、舞台裏の暖かい雰囲気を垣間見せてくれます。

この映画は、ただのエンターテインメント作品ではなく、現代社会に存在する序列の問題を浮き彫りにし、観客に考えさせる力を持っています。序列社会がもたらす人間関係の複雑さや、そこに潜む危険性を描くことで、観る者に新たな視点を提供しています。

また、映画制作の舞台裏で見られるキャストたちの関係性や裏話も、この作品の魅力の一部です。プロの俳優たちがどのように役を作り上げていくのか、その過程を垣間見ることで、映画が単なるフィクションであると同時に、現実の一部でもあることを感じさせます。これからも『遺書、公開。』のように、社会問題に深く切り込む作品が増えていくことを期待したいですね。

[中村 翔平]

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