レオス・カラックス新作『It’s Not Me イッツ・ノット・ミー』、ゴダールへのオマージュが話題
レオス・カラックス監督の新作『It’s Not Me イッツ・ノット・ミー』、ゴダールへのオマージュとその背景
カンヌ国際映画祭のディレクター、ティエリー・フレモーはこの作品を「美学的なエッセイのようであり、まばゆく、とても素晴らしい作品」と高く評価しています。映画の中には、飛び込み台から体を浮かせるシーンや、カラックスの過去作『TOKYO!』の怪人メルド(ドゥニ・ラヴァン)が登場するシーンなど、多様なビジュアルが盛り込まれています。また、カラックスの娘であるナースチャ・ゴルベワ・カラックスも登場し、作品にさらなる深みを与えています。
映画『It’s Not Me イッツ・ノット・ミー』の芸術的意義
映画制作の背景には、ポンピドゥー・センターからの問いかけがありました。この問いかけは、単にカラックス監督の現状を問うものにとどまらず、現代の映画人がどのように過去の巨匠たちと対話し、彼らの遺したものをどのように継承していくのかを考えるきっかけにもなっています。このような対話は、映画が単なる映像作品にとどまらず、文化的な遺産としての役割を果たしていることを示しています。
横浜フランス映画祭での上映とその意義
公開に先立ち、『It’s Not Me イッツ・ノット・ミー』は3月20日から23日に開催される「横浜フランス映画祭2025」で上映される予定です。この映画祭は、フランス映画の最新作を紹介する場として、日本国内で最大級の規模を誇ります。第32回目を迎える今年の映画祭は、「Avec~新しい感性との出会い」をテーマに掲げ、多様な価値観を持つフランス映画作品を通じて来場者に新たな感性との出会いを提供します。
フランス映画は、独自の視点や文化的背景を持つ作品が多く、日本でも高い人気を誇ります。特に、ヌーヴェルヴァーグ以降のフランス映画は、個性的で挑戦的な作品が多く、映画ファンを魅了し続けています。横浜フランス映画祭では、こうしたフランス映画の魅力を余すところなく紹介し、新たな映画ファンを獲得する機会となっています。
映画祭の公式アンバサダーを務める二階堂ふみさんも、フランス映画への愛を語り、映画を通じて人と人がつながることの素晴らしさを強調しました。彼女のコメントは、映画が国境や文化を超えて人々を結びつける力を持つことを再認識させてくれます。
また、映画を通じて提示されるテーマや映像美は、観客に深い印象を与え、議論のきっかけとなることでしょう。『It’s Not Me イッツ・ノット・ミー』は、映画芸術の奥深さを改めて感じさせる作品であり、映画ファンにとって見逃せない一本です。公開が待ち遠しいですね。
[山本 菜々子]