阪神・中野拓夢選手、赤星憲広氏の指導で盗塁復活を目指す
阪神・中野拓夢選手、盗塁復活への道:赤星憲広氏が示すメンタルと戦略
阪神タイガースの中野拓夢選手が、昨季の盗塁数激減からの復活を目指しています。その背景には、阪神OBである赤星憲広氏の存在があります。赤星氏は、5年連続で盗塁王を獲得した実績を持つだけでなく、今や臨時コーチとして現役選手たちに貴重なアドバイスを提供しています。
中野選手は、2021年に新人ながら30盗塁を記録し、盗塁王に輝きました。しかし、昨シーズンはわずか6盗塁に留まり、盗塁失敗数がそれを上回る7を記録。この成績低迷の原因を、赤星氏は技術的な問題よりも「考え方やメンタル」に起因していると指摘しました。赤星氏によれば、「盗塁は技術というよりは、メンタルの部分が大きい要素を占めている」とのことです。
メンタルのリセットと前向きなアプローチ
赤星氏が中野選手に伝えたのは、「昨年の悪いイメージを引きずらず、良いイメージを持つこと」。このシンプルなアプローチが、精神的なリセットに繋がると考えられています。中野選手自身も「アウトになったらどうしようと考えるのではなく、実戦でチャレンジして感覚を取り戻したい」と語り、このアドバイスを心に刻んでいるようです。
赤星氏はキャンプでの指導を通じて、選手たちに「今年は今年」という考え方を強調しました。過去の成功体験を活かしつつ、過去の失敗に囚われないようにすることが重要です。このようなメンタルの切り替えが、盗塁の成功率を高め、再び盗塁王のタイトルを狙うための第一歩となるでしょう。
阪神の戦略的な走塁改革
阪神は、近年のペナントレースで盗塁数が減少し、チームの攻撃力に陰りが見えています。2023年には79盗塁でリーグ優勝を飾ったものの、昨季はその半分以下の41盗塁に終わりました。赤星氏はこの状況を「少なすぎる」と指摘し、より戦略的な走塁の重要性を訴えています。
データ野球の進化やクイックモーションの進化により、盗塁の成功率がよりシビアに求められる時代です。しかし、成功率が高まれば、積極的な走塁が得点につながる可能性が高まります。このためには、技術だけでなく、メンタル面での準備が不可欠です。
赤星氏は、選手たちに対して「技術やセンス」だけでなく、メンタルの重要性を説いています。「イメージを0(フラット)にして」前向きに挑むことが、鍵となるでしょう。中野選手も「紅白戦など実戦では、アウトになってもいいという考えで試していきたい」と意欲を見せています。
新旧盗塁王の共鳴と未来への期待
阪神の新旧盗塁王である赤星氏と中野選手の間には、強い共鳴が生まれています。赤星氏の経験と知識を活かし、中野選手が再び盗塁王の座を奪還することは、チーム全体の戦略にも大きな影響を与えることでしょう。
阪神は、走塁力を活かした攻撃スタイルを取り戻すために、新たな戦略を模索しています。データ分析を駆使しつつ、選手個々の特性を最大限に引き出すことが求められます。中野選手が再び輝きを取り戻すならば、それは他の選手たちにも良い刺激となり、チーム全体の底上げに繋がるでしょう。
[田中 誠]