スポーツ
2025年02月10日 14時11分

ジャン・ウェイリーがUFC女子部門の新時代を切り開く

ジャン・ウェイリーの圧倒的勝利が示すUFC女子部門の新たな時代

2025年2月8日、オーストラリア・シドニーにあるクドス・バンク・アリーナで開催された『UFC 312: Du Plessis vs. Strickland 2』は、多くのファンにとって忘れられない一夜となりました。この夜、UFC世界女子ストロー級選手権試合で、王者ジャン・ウェイリーが挑戦者タティアナ・スアレスを相手に、圧倒的な強さを見せつけました。この試合は、ウェイリーが3度目の王座防衛を果たし、彼女のキャリアに新たな一章を刻むこととなりました。

アンダードッグの逆襲

試合前、王者ジャン・ウェイリーは、挑戦者スアレスに対してアンダードッグとされていました。スアレスはレスリング世界選手権での銅メダリストであり、柔術黒帯の実力者です。その彼女が、UFCで無敗を誇っていたことから、この試合はスアレスが有利と見られていたのです。しかし、ウェイリーはその評価を覆し、試合を通じて卓越した組み技と打撃の技術を披露しました。

ウェイリーは序盤からスアレスのテイクダウンを防ぎ、逆に彼女を圧倒する場面を作り出しました。スアレスの得意とするギロチンチョークを封じ込め、攻撃の機会を与えませんでした。試合は5ラウンドに渡って続き、最終的には3-0の判定でウェイリーの勝利が決まりました。これは彼女のUFCでの5連勝目であり、女子ストロー級での圧倒的な存在感を示す結果となりました。

多様なトレーニングがもたらした進化

ウェイリーの勝利の背景には、彼女が世界各地で多様なトレーニングを積んできたことが大きく影響しています。彼女は中国だけでなく、米国やタイなどでトレーニングを行い、レスリングやムエタイ、柔術などの技術を磨いてきました。特に、タイのバンタオムエタイ&MMAでのトレーニングは、彼女の打撃とグラップリングを融合させる上で重要な役割を果たしました。

ウェイリーは試合後、英語でファンに向けて感謝の言葉を述べました。彼女の英語でのスピーチは、彼女が国際的な舞台で成長し続けていることを象徴するものでした。UFCの解説者ダニエル・コーミエーが称賛したように、彼女の言葉はファンとの距離を縮め、彼女の人間性や魅力をより感じさせるものでした。

次なる挑戦者、そして未来

試合後の会見で、ウェイリーは今後の展望についても語りました。彼女は、ストロー級でのモチベーションを保ちつつ、階級を越えた戦いにも意欲を見せています。特に、UFC世界女子フライ級王者ヴァレンティーナ・シェフチェンコとの対戦については、「全てはタイミング次第」と述べ、将来的な挑戦に前向きな姿勢を見せました。

[中村 翔平]

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