スポーツ
2025年02月18日 17時10分

元競輪選手山田二三補、56歳からのキッチンカー挑戦

元競輪選手山田二三補さん、56歳から新たな挑戦へ

元競輪選手の山田二三補さんは、2023年7月に引退した直後、飲食業界への挑戦を決意しました。34年間の競輪人生を経て、セカンドキャリアとして選んだのはキッチンカーのたこ焼き屋『輪蛸』の運営です。56歳という年齢での未経験からのスタートは、多くの人々の関心を集めています。

山田さんの決断には、競輪選手時代の恩人たちとの深い絆が背景にありました。現役時代、彼は成績不振により引退の危機に陥ったこともありましたが、同郷のグランプリレーサー金子貴志選手の支えで復活を遂げることができました。そして、その金子選手からのアドバイスが、山田さんの新たな挑戦を後押しすることになったのです。

新しい挑戦の背景

山田さんは引退後、まずは豊橋競輪場での仕事を経て、タクシー運転手への転職を考えていました。タクシー運転手は山田さんの父親も営んでいた職業であり、家族も安定した職業を望んでいたためです。しかし、金子選手の「本当にそれがやりたいのか?」という問いかけに、山田さんは再び自分のやりたいことを見つめ直すことになりました。

そこで、山田さんは以前から親交のあった『輪蛸』のオーナー、神村さんとの縁を生かして、キッチンカーの経営を始めることになったのです。彼は料理の経験がほとんどなかったものの、神村さんのサポートと特別価格での設備提供によって、挑戦へのハードルを大きく下げることができました。

キッチンカー経営の難しさと希望

キッチンカーという業態は飲食業界の中でも特に廃業率が高く、成功を収めるのは容易ではありません。しかし山田さんは、元競輪選手として培った粘り強さを武器に、日々努力を続けています。プレオープンとなった豊橋競輪場では、多くのファンや仲間たちが訪れ、山田さんの新たな挑戦を応援しました。

営業開始から1か月ほどの時点で、山田さんのたこ焼きは好調な売れ行きを見せています。競輪場だけでなく、スーパーやパチンコ屋の駐車場、浜松オートでの出店も行い、徐々に顧客を増やしているようです。特に、かつての競輪ファンや関係者が訪れ、山田さんのたこ焼きを楽しんでいるという話は、彼の挑戦が順調であることを示しています。

挑戦の原動力と今後

山田さんの挑戦の背景には、現役時代に支えてくれた人たちへの感謝と、家族への思いがあります。彼は「美味しい」と言ってもらえることに大きなやりがいを感じており、それがさらに自信を深める要因となっていると語ります。たとえ未経験からのスタートであっても、山田さんの持ち前の根気と周囲の支えが、彼の挑戦を支えています。

日々の営業の中で、山田さんは来店する子どもたちの「美味しいからまた来た」という言葉に励まされ、笑顔を絶やさずに取り組んでいます。まだまだ課題も多いですが、彼のたこ焼き屋は順調なスタートを切り、競輪人生に続く新たな物語を紡いでいるのです。

[松本 亮太]

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