スポーツ
2025年02月25日 10時10分
石毛善彦調教師、ビリーバーとの絆で競馬界に遺した哲学
石毛善彦調教師の引退とビリーバーに託された想い
ビリーバーとの出会いと成長
石毛調教師のキャリアの中でも、2022年にアイビスサマーダッシュを制したビリーバーは特別な存在でした。ビリーバーは気性が激しく、扱いが難しい馬でしたが、その難しさが逆に魅力でもありました。担当した上石智寛厩務員は、ビリーバーの激しい気性に最初は戸惑いを感じたと言います。しかし、この馬のポテンシャルを信じ、時間をかけて信頼関係を築き上げました。その結果、ビリーバーは重賞を制覇するまでに成長しました。
「人を見る馬でね。慣れてリラックスしてくれるまで半年もかかりました」と上石厩務員は振り返ります。彼の言葉からも、ビリーバーが単なる競走馬ではなく、パートナーとして共に成長してきたことがうかがえます。このような信頼関係が築けたことが、ビリーバーの成功を支えたのは間違いありません。
石毛調教師の哲学と未来
石毛調教師が掲げた「1頭1勝」は、馬を大切にし、人を大切にするという彼の哲学を象徴しています。馬は単なる競争の道具ではなく、一緒に夢を追いかける仲間であるという考え方です。彼のこの考え方は、競馬界全体に対しても大きな影響を与えました。特に、競馬の世界において勝利が最重要視される中で、馬一頭一頭に対する深い愛情と敬意を示すことは、非常に意義深いことです。
石毛調教師自身も、引退後は競馬を楽しむ一ファンとして、業界を見守り続けると語っています。彼のような人物の存在が、競馬界の未来を明るくする大きな要因となるのは間違いありません。競馬界がこれからどのように進化していくのか、その行方を見守りつつ、石毛調教師の功績に敬意を表したいと思います。
[伊藤 彩花]