エンタメ
2025年03月01日 16時11分
「SEIMEI」:歌舞伎とロックの新境地
歌舞伎とロックが交わる舞台「SEIMEI」:新たなエンターテインメントの誕生
若い才能との共演で生まれる新鮮さ
今回の舞台では、関西ジュニア・Lil かんさいの嶋崎斗亜が、晴明を裏切る朱雀役で出演しています。嶋崎は初めての歌舞伎の舞台に挑戦するにあたり、團十郎から多くのアドバイスを受けているとのこと。「歌舞伎は決まったものの中で伝統を守っていくので、ルールがある。ルールを残しながら、斗亜くんの存在、SUGIZOさんの音楽、ケントさんの振り付けがある」という團十郎の言葉に、嶋崎は「勉強になることばかり」と感謝の意を示しています。若い観客の新鮮な反応も、舞台に新しい風を吹き込んでいます。
嶋崎は、「やっぱり僕たちが普段させていただく舞台やライブには絶対ない大向うがあった。『嶋崎~』と言ってくださるお客さんとかもいらっしゃった。すごく新鮮で、めちゃめちゃうれしいなという気持ちで楽しく、毎回新鮮でした」という感想を述べており、歌舞伎という新境地での挑戦に対するポジティブな姿勢が伝わってきます。
クリエイターの力が集結した新しい邦楽劇
「SEIMEI」は、ただの歌舞伎公演ではありません。脚本を担当するのは、多くの歌舞伎作品を手がけてきた今井豊茂。演出は、ゲーム業界で多くの作品を生み出してきた広井王子が務めます。また、ケント・モリが神楽振付を担当し、彼の現代的なダンスが歌舞伎の舞台に新たなエネルギーをもたらしています。さらに、邦楽作曲は今藤長龍郎が担当し、伝統と革新が共存する音楽が生み出されています。
これらの要素が一体となり、観客に提供されるのは、単に伝統を再現するだけではなく、新しい視点から歌舞伎を楽しむ機会です。観客がこの舞台をどのように受け止めるのかは未知数ですが、少なくともこの試みは、歌舞伎の未来を考える上で重要な一歩となるでしょう。
[高橋 悠真]