競馬界の名調教師、鮫島一歩氏が引退を発表
競馬界の名トレーナー、鮫島一歩調教師が引退
競馬界において数々の名馬を育て上げた名調教師、鮫島一歩氏がついにその長いキャリアを終えることとなりました。70歳の誕生日を迎える直前、彼は中山記念を最後の舞台としてターフに別れを告げました。2日に行われたこのレースで、彼の愛馬リフレーミングは15着に終わりましたが、鮫島氏にとってはその結果以上に、無事にレースを終えられたことが何よりの安堵だったようです。
鮫島氏は2000年3月に調教師としてのキャリアをスタートさせ、以来、JRA通算591勝を挙げるなど、その実績は輝かしいものがあります。中でも、2017年のエリザベス女王杯でモズカッチャンと共に手にした初のG1制覇は、彼のキャリアにおけるハイライトの一つとして語り継がれることでしょう。しかし、彼にとって最も思い入れのある馬は、シルクフェイマスであると語っています。この馬は、鮫島厩舎に2004年の日経新春杯をもたらし、以後の基礎を築いた功労馬です。
シルクフェイマスへの深い思い
シルクフェイマスは、鮫島厩舎の初の重賞制覇を成し遂げた馬であり、その後もGⅡレースで3勝を挙げるなど、鮫島氏の調教師人生において特別な存在となりました。鮫島氏はその走りを「ヒョウのようだ」と評し、その力強さと優雅さを愛していました。馬の体質や気持ちの強さ、さらにはその免疫力に至るまで、シルクフェイマスのすべてを称賛しており、この馬が厩舎の礎を築いたと振り返ります。
鮫島氏の調教師としての哲学は、馬の個性を尊重し最大限に引き出すことです。彼の指導の下で育てられた馬たちは、その能力を存分に発揮し、多くのファンを魅了しました。彼のキャリアを彩る数々の名馬たちが、それぞれの走りで競馬界に与えた影響は計り知れません。
これからの展望とホースマンとしての未来
引退後の鮫島氏は、馬に携わる仕事を続けたいとの意向を示しています。17歳の時から馬と関わり続けてきた彼にとって、馬は単なる仕事の対象以上の大切な存在です。彼は「何らかの形でこれからも馬に携わっていきたい」と語り、生涯を通じてホースマンとしての道を歩み続ける決意を示しました。
[松本 亮太]