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2025年03月09日 06時11分

大谷翔平の復帰計画に遅れ、ドジャースは慎重な調整を選択

大谷翔平の二刀流復帰計画に忍び寄る影

大谷翔平選手の復帰計画が思わぬ展開を迎えています。ロサンゼルス・ドジャースの投手兼打者として活躍する大谷選手は、当初予定されていた投手としての復帰スケジュールに遅れが生じる可能性が高まりました。これは、デイブ・ロバーツ監督をはじめとするチーム首脳陣が、大谷選手の調整ペースを「スローダウン」させる判断を下したためです。彼の投手としての復帰が夏まで遅れる可能性があると指摘されています。

投手復帰の計画とその変容

大谷選手は、5月に投手としての復帰を目指していました。彼は東京ドームでの開幕戦に向けての準備として、ライブBP(バッティングプラクティス)にも登板する予定でした。しかし、最近の報道によると、ロバーツ監督は「試合の強度が増す中で、ブルペンでの投球練習の強度を高めるのは賢明ではない」として、投手としての調整をペースダウンさせることを決定しました。これにより、対打者の登板が先送りされることになったのです。

この決定の背景には、大谷選手の健康状態が考慮されていると見られています。昨年のワールドシリーズでの怪我や、その後の手術からの回復を経て、彼は依然として慎重な調整が必要な状態にあります。特に左肩の負担を軽減するため、投手としての復帰を急ぐのではなく、安全策を講じることが求められているのです。

二刀流の難しさと大谷選手の挑戦

大谷選手の二刀流という挑戦は、野球界において非常に稀なケースです。ベーブ・ルース以来、彼のように打者と投手の両方でトップクラスの成績を収める選手は現れていません。マーリンズの元球団社長であるデビッド・サムソン氏も「二刀流は本当に難しい」と語っています。彼の意見では、MVP級の打者やサイヤング賞候補の投手として成功するには、フルタイムでの集中が必要であり、その両立は非常に困難だと指摘しています。

大谷選手は、トミー・ジョン手術からの回復中であり、また左肩の脱臼も経験しました。このような中で、彼が万全の状態でプレーすることは、彼自身とチームにとって極めて重要です。特に、投手としての復帰を急ぐことは、彼の健康を損なうリスクがあり、チームもその点を慎重に考慮しています。

ドジャースのチーム戦略と大谷選手への期待

ドジャースにとって、大谷選手の二刀流復帰がなくても困るという状況ではありません。チームは、ブレイク・スネルやタイラー・グラスノウといった優秀な投手陣を擁し、シーズン序盤のローテーションには余裕があります。そのため、大谷選手が完全に健康を取り戻してからの復帰を待つことが可能です。

また、予防策としての「スローダウン」調整は、大谷選手を大事にするための合理的な選択といえます。彼のような希有な才能を持つ選手の復帰には、特別な配慮が求められるのです。ドジャースは、彼の健康を最優先に考えており、長期的な視点での復帰を見据えています。

このように、大谷選手の復帰は多くの期待と不安が交錯する中で進んでいます。彼の投手としての活躍を再び見る日を心待ちにしているファンにとっては、少しの辛抱が必要かもしれません。しかし、チームとしても彼の健康を最優先に考慮していることは、彼の将来にとっても大きな意味を持つでしょう。

大谷選手が再び二刀流で輝く日を待ち望みつつ、彼が健康で万全の状態で戻ってくることを願っています。彼の復帰がもたらす影響は、単なる一選手の問題を超え、野球界全体にとっても大きな意義を持つことでしょう。

[佐藤 健一]

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