センバツで輝く石垣元気、進化の挑戦とドラフトへの思い
センバツの舞台で輝く石垣元気の挑戦と進化
昨年のセンバツでの躍進に加え、今年は更なる進化を遂げるべく、石垣投手は様々な取り組みを行っています。特に、下半身の強化を中心にしたトレーニングに注力し、ストレートの質を向上させました。2月の館山キャンプでは、彼のストレートの回転数が2100回転から2400回転に増加し、球質の向上を実感しています。
変化球の精度とギアチェンジ
石垣投手の武器は速球だけではありません。彼はスプリットを決め球として磨き上げ、ストレートと同じ軌道から落ちる変化球で打者を翻弄しています。このスプリットは130キロ後半のスピードを持ち、三振を奪うための重要な球種となっています。彼はランナーを出した時にはギアを上げ、確実にアウトを取ることを心がけており、試合の流れを自らの投球で創り出すことを目指しています。
昨年の秋の大会では防御率2.08、33奪三振を記録したものの、石垣選手自身は納得のいく結果ではなかったと振り返ります。特に、フォアボールの多さや終盤の粘りが課題として浮き彫りになり、これらを克服するためのトレーニングに励んできました。
ライバルとの競争とドラフトへの思い
石垣選手は、同じドラフト候補として大阪桐蔭の森陽樹投手を意識しており、負けたくないという強い思いを抱いています。森投手は190センチの長身から投げ下ろすストレートが武器で、石垣選手は自分のスピードで負けないことを目標にしています。彼は、自らの身長を活かしつつも、常時150キロ以上の速球を投げられることを証明し続けています。
センバツの初戦で対戦する明徳義塾戦に向け、石垣選手はテンポ良くピッチングを展開し、チームの流れを引き寄せることを目指しています。彼はドラフト1位でプロの道を歩むことを夢見ていますが、そのためにはまずはセンバツでの圧倒的なパフォーマンスが必要です。
享栄との練習試合での成果と反省
享栄との練習試合では、石垣投手は9イニングを投げ切り、11奪三振を奪いましたが、ファウルで粘られたり四球を与えてしまう場面がありました。雪交じりの雨という悪条件の中でも力強い投球を見せたものの、彼自身は反省点を多く感じています。この試合ではメジャーリーグのスカウトも視察に訪れ、石垣投手の可能性を高く評価しました。
享栄の仲谷成真選手が石垣投手から3安打を放つなど、対戦相手の実力も侮れないものがありますが、石垣選手はピッチングの細部にまで意識を向けています。彼の投球スタイルは、力を入れるところと抜くところを意識したメリハリのあるものとなっており、その結果として完投を果たしました。
[田中 誠]