スポーツ
2025年03月12日 23時21分

サンフレッチェ広島、ACL2敗退の背景に迫る

広島のACL2敗退、その背景にある複雑な要因とは

サンフレッチェ広島は、AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)の準々決勝でライオン・シティ・セーラーズに1-1で引き分け、2戦合計4-1で敗退しました。この結果は、試合中の出来事だけではなく、試合前からの様々な要因が絡み合った結果とも言えます。

まず、広島にとって大きな打撃となったのは、第1戦の没収試合です。広島はホームでの1stレグで6-1という圧勝を収め、準決勝進出が確実視されていました。しかし、FWヴァレール・ジェルマンの出場停止処分が消化されていなかったことが判明し、試合は0-3の敗戦扱いとなりました。この事態は、広島にとって未曾有の逆境を生むこととなりました。

次に、シンガポールでの2ndレグが広島にとってさらなる試練をもたらしました。高温多湿の環境や人工芝という特殊な条件は、普段のプレースタイルを大きく制限します。広島は序盤から積極的に攻撃を仕掛け、サイドを活用する戦術を見せましたが、ライオン・シティの堅実な守備を崩すことは容易ではありませんでした。

さらに、ジャーメイン良の退場という予期せぬアクシデントが、試合の流れを大きく変えました。51分に相手選手とのポジション争いで乱暴な行為をしたと判断され、一発退場処分を受けました。この退場によって数的不利となった広島は、攻撃の手を緩めることなく試合を続行しましたが、プレーの精度を欠き、決定機を生かせませんでした。

広島は、試合中にいくつかのチャンスを作り出しました。特に18歳のMF中島洋太朗による華麗なFKで1点を返した場面は、ファンにとっても希望の光となる瞬間でした。しかし、相手の守備を攻略することはできず、最後までゴールを奪うことは叶いませんでした。

この試合は、広島が抱える課題を浮き彫りにしました。試合の結果だけでなく、選手の登録や試合への準備、環境への適応といったチーム全体のマネジメントが問われる結果となりました。また、ACL2という新しい大会フォーマットへの適応も、今後の課題として挙げられます。チームが再びアジアの舞台で輝くためには、これらの反省点を次に生かしていくことが求められます。

広島のACL2での戦いは、決して単なる敗北ではなく、チームにとって成長と改善のための重要な経験となるでしょう。これからのシーズンに向けて、広島がどのように立て直しを図るのか、ファンの期待はますます高まっています。

[高橋 悠真]

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