スポーツ
2025年03月13日 07時10分

権田修一の『変人力』が示すプロフェッショナルの新境地

権田修一の「変人力」が示す新たなプロフェッショナルの形

2022年カタールワールドカップにて日本代表ゴールキーパーとして活躍した権田修一選手は、その著書『変人力』で、一般的な常識や慣習にとらわれることなく、独自の視点で物事を見つめる姿勢を強調しています。彼の言葉には、個性を失わずに成長し続けるための深い洞察が込められています。特に、彼が「自分を大事にする」うえで意識しているポイントは、多くの人々にとっても示唆に富んだものです。

休む勇気と譲れないもの

権田選手が強調する一つ目のポイントは、「休みたいときは休む」ということです。彼自身、過去にオーバートレーニング症候群に陥り、体が求める休息を無視した結果、ベッドから起き上がれなくなった経験を持ちます。この経験から学んだのは、体と心が求める休息を無視することの危険性です。「頑張ることが義務になった時点で、思考停止状態に陥る」と彼は語ります。

このような視点は、単にスポーツ選手だけでなく、ビジネスや日常生活においても重要です。過度な努力や自己犠牲を美徳とする風潮がある中で、「立ち止まる勇気」を持つことが、長期的な成長に繋がると示唆しています。

二つ目のポイントとして、権田選手は「自分の中で譲れないものを明確にする」ことの重要性を挙げています。彼は常に自問自答を繰り返し、自分の本心を確認することで、意識的な選択を行っています。このプロセスを通じて、彼は「日本代表がW杯で優勝するために、世界一のゴールキーパーを目指し続ける」という大きな目標を自らに課しています。このような明確な目標を持つことは、日々の判断をより客観的かつ質の高いものにするための鍵となります。

若き才能と権田の影響

権田選手のように、自己の可能性を追求する姿勢は、若い世代にも影響を与えています。大阪U-17のFW首藤龍之介選手は、格上の大阪教育大との試合で孤軍奮闘し、持ち味のドリブルを活かして格好のプレーを見せました。彼もまた、権田選手のように、自分のプレースタイルを貫きつつ、新たな環境での挑戦を楽しんでいます。

首藤選手は将来、英語を使って日本と海外を繋ぐような役割を担いたいと語っています。権田選手のように、海外でのプレーを目指す若い選手たちにとって、自己の目標を明確にすることは、キャリアの方向性を定めるために重要なステップです。

西川周作が達成した偉業

西川選手は19歳でJ1デビューを果たし、21シーズンにわたってトップレベルのパフォーマンスを維持してきました。その裏には、彼自身の「譲れないもの」があり、それが彼を支えてきたのでしょう。権田選手が掲げる「譲れないものを明確にする」ことの重要性は、ここでも強調されます。

このように、権田選手の哲学や姿勢は、個人として、あるいはチームとしての成長に向けた多くのヒントを提供しています。彼の言葉の中には、プロフェッショナルとしての生き方や考え方が凝縮されており、それはスポーツ界に限らず、様々な分野での自己成長に役立つものと言えるでしょう。

[松本 亮太]

タグ
#変人力
#権田修一
#自己成長