堀田真由、新境地「御上先生」で孤独と成長を描く
堀田真由が挑む新たな演技の境地:「御上先生」で描かれる孤独と成長
堀田さんが演じる弓弦は、事件の犯人でありながら心に複雑な葛藤を抱えたキャラクターです。監督や共演者とともにシーンごとに細かく相談しながら「分からなさ」を抱えつつも、役柄の内面に迫っていく過程を大切にしているといいます。弓弦のキャラクターは、他者を拒絶しつつも、実際には相手の言葉を深く受け止めているという構造を持っています。「御上先生」では、接見室という限られた空間での静かな戦いが彼女の演技の中心に据えられています。
接見室がもたらす感情の深まり
接見室でのシーンは、堀田さんにとって大きな挑戦でした。無機質な空間で、監視の目がある中での演技は、心を全て見透かされているような感覚を伴うものだったといいます。彼女はこの空間の制約を逆手に取り、弓弦の内面の変化を細かい所作で表現しました。たとえば、椅子を引く動作一つで心の距離を表し、御上先生や神崎との関係の変化を表現しています。このような細やかな演技が、ドラマに深いリアリティを与えています。
松坂桃李との再共演がもたらしたもの
堀田さんにとって松坂さんとの再共演は、感慨深いものでした。二人は以前、NHKの連続テレビ小説「わろてんか」で共演しており、その時から松坂さんは、周囲に気を配る優しさを持った俳優として堀田さんに大きな影響を与えてきたといいます。今回の「御上先生」では、彼女はより成長した姿を見せたいと意気込んでおり、松坂さんからの「大変な役を本当にお疲れ様でした」という温かい言葉は、彼女にとって大きな励みとなったそうです。
若手俳優たちとの共演
さらに、常盤貴子さんとの共演も特筆すべき体験でした。常盤さんは堀田さんがずっと共演したいと思っていた女優の一人であり、物語の重要な場面での共演は、彼女にとって大変貴重なものだったと語っています。常盤さんの柔らかい物腰と、現場での無邪気な姿は、堀田さんにとっても新鮮で、撮影現場の和やかな雰囲気を作り出す要因の一つだったようです。
「御上先生」は、教育と権力の問題という重厚なテーマを扱いながら、俳優たちの緻密な演技によって観る者に多くの示唆を与えています。堀田真由さんが挑む弓弦というキャラクターは、彼女自身の演技の新たなステージを示すものとして、視聴者に深い印象を残すことでしょう。彼女が演じる孤独と成長の物語は、多くの視聴者に新たな視点を提供してくれることでしょう。
[佐藤 健一]