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2025年03月21日 06時10分

至学館大・栄和人氏の退任で女子レスリング界に新時代到来

至学館大の名監督、栄和人氏の退任がもたらす新たな時代

日本女子レスリング界の象徴とも言える存在、栄和人氏が至学館大学の監督を退任することが明らかになりました。28年間にわたる指導の中で、彼の教え子たちはオリンピックで14個の金メダルを獲得し、日本を女子レスリングの強豪国として世界に知らしめました。栄氏の退任は、女子レスリング界にとってどのような影響をもたらすのでしょうか。

栄氏の退任理由は、若い指導者たちにバトンを渡し、次の世代が新たな風を吹き込むべきだという決断からです。「僕は十分やり切った」と語るその背景には、彼自身が築き上げてきた強固な基盤と、その上で成長する次世代の指導者たちへの信頼があるのでしょう。

栄和人氏の軌跡と影響

栄和人氏は、1960年に鹿児島県で生まれ、レスリング選手としてのキャリアを経て1990年代から女子レスリングの指導を始めました。中京女子大(現・至学館大)の指導者として、吉田沙保里さんや伊調馨さんといった世界的な選手を育て上げました。彼の指導のもと、これらの選手たちはオリンピックで金メダルを次々に獲得し、日本の女子レスリングを世界の舞台で輝かせました。

栄氏の指導哲学は、選手の個性を尊重しつつも、強靭な精神力を養うことに重点を置いていました。彼は、選手たちが自らの限界を越えることを促し、彼らの潜在能力を最大限に引き出すことに成功しました。栄氏の指導方法は一貫しており、その厳しさは時に議論を呼びましたが、選手たちからの信頼は厚く、彼らはその指導を糧に大きく成長しました。

パワハラ問題と復帰

2018年、栄氏は伊調馨選手へのパワハラ問題で日本レスリング協会の強化本部長を辞任し、至学館大の監督職を一時解任されました。この出来事は、スポーツ界全体における指導方法の見直しを促すきっかけともなりました。しかし、栄氏は2019年に監督に復帰し、その後も選手たちの指導に尽力しました。この経験を通じて、栄氏自身も指導方法の改善に努めたとされています。

今後の展望と女子レスリング界への影響

[佐藤 健一]

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