ダノンデサイル、AJCCで圧巻の勝利を果たす
ダービー馬ダノンデサイル、アメリカジョッキークラブカップで圧巻の勝利
2025年のアメリカジョッキークラブカップ(AJCC)は、ダービー馬ダノンデサイルの圧倒的な勝利で幕を閉じました。このレースは単なる勝利以上に、ダノンデサイルの底力とその進化を示すものでした。中山競馬場で行われたこのレースは、ダノンデサイル陣営にとっても、新たな挑戦として記憶されることでしょう。
ダノンデサイルの挑戦と進化
ダノンデサイルがAJCCに参戦したのは、1999年のスペシャルウィーク以来26年ぶりのことでした。有馬記念での3着を経て、急遽このレースを選んだ背景には、陣営の明確な意図があったようです。それは、ダノンデサイルにさらなる経験を積ませ、潜在能力を引き出すことを目的としたものです。
レースは序盤からアウスヴァールが先頭を取り、スローなペースで進行しました。しかし、後半になるとチャックネイトが先頭を狙いに動くなど、ペースは急激に上がりました。このようなペースの変化にもかかわらず、ダノンデサイルは最後の直線で力強い末脚を見せ、見事に差し切りました。この勝利は、単に着差以上の完勝であったといえます。
ダノンデサイルの走りは、長距離レースにおける持久力と瞬発力を兼ね備えたものでした。これには、陣営がレース経験を通じて馬の素質を最大限に引き出すという戦略が功を奏したと考えられます。ダービー馬としての貫録を示したこの勝利は、ダノンデサイルにとって大きな自信となったことでしょう。
対抗馬たちの奮闘
2着にはマテンロウレオが入りました。この馬は、横山典弘騎手の巧みな乗り方で好位につけ、自己のペースを崩さずに走り切りました。マテンロウレオは、ダービー馬に挑むもその壁は厚く、今回のレースでもその実力を見せつける形となりました。
3着のコスモキュランダもまた、独自の戦略でレースを引っ張り、上位に食い込むことができました。この馬の攻撃的な走りは、レース全体のレベルを引き上げる一因となっています。
レーベンスティールの課題と展望
AJCCで12着に終わったレーベンスティールは、今回のレースで距離適性の課題が浮き彫りとなりました。かつての9ハロン戦での好成績からも見て取れるように、短距離でのパフォーマンスが期待されます。馬体重の増加や、ルメール騎手の「ムキムキになっている」というコメントも、距離適性の再考を促す要因といえるでしょう。今後のレース選択が、この馬の未来を左右することになりそうです。
[佐藤 健一]