エンタメ
2025年02月06日 09時21分

朝ドラ『おむすび』とSNS時代の視聴体験

朝ドラ『おむすび』とSNS時代のドラマの神格化問題

朝ドラの特異な存在感と視聴者の期待

視聴者は、朝ドラに対し、完璧なストーリー展開やキャラクターの一貫性、心に残る感動を求めがちです。これは、かつての名作『おしん』や『ゲゲゲの女房』といった作品が高い評価を得たことが背景にあるのでしょう。しかし、これにより、制作側は製作において大きなプレッシャーを感じています。脚本家たちは、毎回15分という短い放送時間の中で、視聴者を満足させる工夫を凝らさなければならないのです。

SNSと朝ドラの相乗効果

ここ数年、SNSの普及によって、朝ドラの視聴体験は大きく変わりました。放送中の瞬間的な反応がSNS上に溢れ、視聴者はリアルタイムで感想や考察を共有できるようになりました。このことは、番組の話題性を高め、視聴者数の増加に寄与しています。しかしそれと同時に、批判や誹謗中傷も増加しています。SNS上では「#反省会」などのタグが使われ、作品に対する厳しい意見が飛び交うことが日常化しています。

『おむすび』も例外ではありません。SNS上では、物語の展開やキャラクターの行動に対する批判が多く見受けられます。特に、第90話で描かれた結(橋本環奈)が患者の食事について医師に意見するシーンは、SNSで大きな話題となりました。視聴者の意見は多岐にわたり、賛同する声もあれば、現実離れしたストーリー展開に疑問を呈する声もあります。

朝ドラの未来と視聴者の役割

現代の視聴者は、単にテレビを視聴するだけでなく、SNSを通じて他者と意見を交わすことで、より深く作品を理解しようとしています。その過程で、批判的な意見が出ることは避けられませんが、それが作品の質を向上させるための建設的な意見交換につながることもあります。

[中村 翔平]

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