カーリング界の新星、フォルティウスが日本選手権で再び頂点に
カーリング女子の新星、フォルティウスの挑戦と進化
カーリングの世界で、その名を轟かせるフォルティウスが再び日本選手権で頂点に立ちました。彼女たちは北海道銀行との接戦を制し、劇的な勝利を収めました。この勝利は、今後の世界選手権出場権と2026年ミラノ・コルティナ五輪日本代表候補決定戦への道を切り開きました。フォルティウスの特徴的なチーム構成と戦略、そしてスキップ吉村紗也香選手のリーダーシップが彼女たちを支えています。
フォルティウスの軌跡
フォルティウスは2011年に小野寺歩(現姓・小笠原)と林弓枝(現姓・船山)を中心に札幌市で結成されました。当初は北海道銀行の支援を受け、「北海道銀行フォルティウス」として活動し、ラテン語で「より強く」を意味するその名にふさわしい成績を残してきました。2013年にソチ五輪出場権を獲得し、2014年の大会では5位入賞という輝かしい結果を残しています。
しかし、近年はスポンサー契約の終了などの試練に直面し、クラブチームとして再出発を余儀なくされました。そんな中での今回の優勝は、彼女たちの進化と挑戦を象徴しています。
吉村紗也香のリーダーシップ
今回の勝利の鍵を握ったのはスキップの吉村紗也香選手です。北海道北見市出身の吉村選手は、札幌国際大学を経て2014年にフォルティウスに加入しました。彼女は2023年に母親となり、産休を経て今季から復帰しました。この経験は、彼女のリーダーシップに新たな深みをもたらしています。
吉村選手は「家族の支えがあって戻ってこれた」と語り、チームの理解と協力が彼女の復帰を可能にしたと感謝の意を表しています。特に決勝戦では、延長の第11エンドでウイニングショットを決め、チームを勝利に導きました。彼女の冷静な判断と卓越した技術は、フォルティウスの成功に不可欠な要素です。
未来への挑戦
フォルティウスの次なる目標は3月に韓国で行われる世界選手権です。ここでの成績が、彼女たちのミラノ・コルティナ五輪への道を開く重要な一歩となります。また、9月にはSC軽井沢やロコ・ソラーレとの代表候補決定戦も控えており、厳しい戦いが予想されます。
吉村選手は「フィジカルも技術もさらにレベルアップして、今より強くなったフォルティウスをお見せしたい」と意気込みを語っています。彼女たちの挑戦はまだ始まったばかりであり、世界の舞台での活躍が期待されます。
フォルティウスのこれまでの道のりは、挑戦と進化の連続でした。そして、その挑戦は今も続いています。彼女たちの物語は、多くの人々に勇気と希望を与えるものです。カーリングの新たな歴史を刻む彼女たちの姿に、これからも目が離せません。
[鈴木 美咲]