スポーツ
2025年02月14日 16時01分

堤聖也vs比嘉大吾、友情を超えた激闘の行方

堤聖也、友情を越えた闘志と覚悟で挑む初防衛戦

ボクシングファンにとって、2025年2月24日は特別な日となりそうです。東京・有明アリーナで行われるWBA世界バンタム級タイトルマッチで、王者・堤聖也(29)が、挑戦者であり長年の親友である比嘉大吾(29)を迎え撃ちます。堤はこの試合を「比嘉大吾の最後の試合」と位置づけ、友情を超えた決意を胸にリングに立つことを明かしました。

友情を越えた戦い

堤と比嘉は高校時代からの友人で、アマチュア時代にも対戦経験があります。プロとしても、2020年10月にノンタイトル戦で引き分けてからも親交を深めてきました。しかし、今回の試合が決まってからは「連絡を絶っている」と堤は語ります。この試合に向けて堤は、友情とは別の次元で、王者としての誇りと価値を高めるために戦う決意を固めています。

「この試合が比嘉大吾の最後の試合だと思っている」と語る堤の言葉には、彼がいかに真剣にリングに臨むかが表れています。彼は友人として比嘉を応援したい気持ちもありながら、同時にプロボクサーとしての厳しさを持ち合わせているのです。

堤聖也の「ロッキースタイル」

試合に向けた公開練習で、堤は映画『ロッキー』を彷彿とさせるスタイルで登場しました。グレーのスウェットに黒のコンバーススニーカーという装いは、彼の気合と遊び心を示しています。映画『ロッキー』は、逆境に立ち向かう姿勢と精神力の象徴であり、堤自身もそのメンタリティに影響を受けていると明かしています。

このスタイルは、彼がどれほど今回の試合に心血を注いでいるかを象徴しています。友人である比嘉もまた、『ロッキー』を見て再起を誓ったことを明かしており、両者の間でユーモアと敬意が交錯する一幕もありました。

挑戦者としての心構え

堤は昨年10月、井上拓真を下し、悲願の世界王者の座を勝ち取りました。しかし、彼は「単にベルトを守るための試合ではない」と語り、常に挑戦者としての心を忘れない姿勢を強調しています。ベルトを守ることが目的ではなく、強い相手と戦い続けることが彼の目標です。それがボクサーとしての成長につながると信じているのです。

堤は「持ち味をしっかり生かして、僕が巻き起こすサイクロンのようなボクシングを見せたい」と意気込みを語っています。彼のボクシングスタイルは、攻撃的でダイナミックなもの。今回の試合でもそのスタイルを貫き、観客を魅了することを目指しています。

比嘉大吾の覚悟

一方の比嘉大吾もまた、自らのボクシング人生を懸けてこの試合に臨みます。昨年9月に武居由樹に敗れ、一度は引退を口にしましたが、再びリングに上がることを決意しました。彼にとっても今回の試合は、プロボクサーとしてのキャリアの集大成となる可能性があります。

比嘉は攻撃的なアウトボクサーとして知られ、そのスピードと爆発力は堤にとっても脅威となるでしょう。堤は「瞬間、瞬間で、決断をミスっちゃうと倒されたり、一瞬一瞬の判断の誤差で倒したりという勝負になる」と警戒を強めています。二人の戦いは、まさに紙一重の攻防戦になることが予想されます。

興行はアマゾンプライムビデオで独占生配信される予定で、多くのボクシングファンが二人の闘いを見守ることでしょう。リング上で繰り広げられるのは、友情を越えた純粋なボクシングへの情熱と、プロとしてのプライドをかけた激闘です。どちらが勝者となるのか、その結末が待ち遠しいです。

[山本 菜々子]

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