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2025年02月24日 21時12分

村上春樹が語る「一生もののレコード」と音楽の旅路

村上春樹が語る「一生もののレコード」と人生の音楽的旅路

村上春樹さんといえば、作家として数々の名作を世に送り出しているだけでなく、音楽に対しても深い愛情を持つことで知られています。その情熱は彼がディスクジョッキーを務めるラジオ番組「村上RADIO」にも如実に表れています。今回は、村上さんが語る「一生もののレコード」と、それにまつわるエピソードを通じて、音楽という普遍的なテーマが彼の人生にどのように影響を与えてきたのかを探ってみたいと思います。

村上春樹と音楽の出会い

村上さんが音楽と出会ったのは、彼がまだ若かりし頃。神戸の元町商店街で手に入れたアーサー・プライソックのレコードから始まった音楽の旅は、彼の人生における重要なバックグラウンドを形成しています。プライソックの深いバリトン・ボイスは、日本ではあまり知られていなかったものの、村上さんにとっては特別な響きを持つものでした。彼がこのレコードを選んだ理由については詳細に覚えていないと語りますが、その選択が彼の音楽的センスを磨くきっかけとなったことは間違いありません。

「一生もののレコード」とは

村上RADIOで紹介される「一生もののレコード」は、彼の音楽に対するこだわりと愛情が凝縮されたものです。彼が選ぶレコードには、個人的な思い出や音楽的な感動が詰まっており、どれもが彼にとって特別な存在です。例えば、ビル・エヴァンズの『インタープレイ』は、トランペットのフレディ・ハバードとギターのジム・ホールが加わったクインテット編成のアルバムで、村上さんはこのユニークなサウンドに心を奪われました。

また、スタン・ゲッツの『Stan Getz in Stockholm』も、彼にとって特別な一枚です。このアルバムは、ゲッツがスウェーデンで録音したもので、彼が困難な時期を乗り越えて再び音楽を奏でる姿に村上さんは深く感動したといいます。音楽を通じて、彼は人生の様々な局面を乗り越え、また新たなインスピレーションを得てきたのです。

音楽と人生の共鳴

村上さんにとって、音楽は単なる娯楽ではなく、人生の伴侶でもあります。彼が語る音楽のエピソードには、彼自身の人生観や哲学が色濃く反映されています。例えば、エルヴィス・プレスリーの『Elvis Presley』は、彼が高校時代に擦り切れるまで聴き込んだ思い出のレコードであり、その音楽は彼の青春時代を彩る大切な要素となっています。

音楽は時に、我々にとっての心の拠り所となり、また時には新たな視点を提供してくれるものです。村上さんのように、一枚のレコードを通じて深い感動を味わうことができるのは、音楽が持つ普遍的な力の証かもしれません。

村上春樹さんの「一生もののレコード」は、単なる音楽の紹介に留まらず、彼の人生そのものを映し出す鏡のような存在です。音楽を通じて彼が何を感じ、どのような人生を歩んできたのか、その背景には深い物語が隠されています。彼のラジオ番組は、そうした音楽との出会いをリスナーと共有する貴重な機会であり、私たちもまた、音楽を通じて新たな発見をするきっかけを与えてくれます。

村上春樹さんが語る音楽の旅路は、我々に音楽の力を再認識させると同時に、彼の作品をより深く理解する手助けとなるでしょう。音楽と文学の融合は、彼の独特な作風を作り上げる重要な要素であり、これからも多くの人々に感動を与え続けるに違いありません。

[鈴木 美咲]

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