広瀬すずが語る「動物的本能」と映画『ゆきてかへらぬ』の魅力
広瀬すずが語る「動物的本能」と映画『ゆきてかへらぬ』
女優として躍進を続ける広瀬すずさんが、映画『ゆきてかへらぬ』の公開記念舞台挨拶に登壇し、自身の性格や新作映画に対する思いを語りました。この作品は、実在の人物を描いた大正から昭和初期を舞台に、壮絶な愛と青春をテーマとしています。広瀬さんが演じるのは、天才詩人・中原中也(木戸大聖さん)と文芸評論家・小林秀雄(岡田将生さん)に愛される女優・長谷川泰子。彼女が語る「動物的本能」とは一体何なのでしょうか。
広瀬すず、若き日の大げんかエピソード
舞台挨拶では、広瀬さんの16歳の時のエピソードが披露されました。初めてのドラマ主演を務めた際、プロデューサーとの打ち合わせで意見が食い違い、激しい言い争いになったといいます。その時、広瀬さんは赤いブレザーを着ており、今ではそのエピソードを「赤い春」に結びつけて振り返ります。若くして自らの意見を強く主張する姿勢は、彼女の成長を支える大きな要因となったに違いありません。
このエピソードからもわかるように、広瀬さんは自分の考えや感情をストレートに表現することを恐れない性格です。それは彼女の演技にも色濃く反映され、観客を引き込む力となっています。
「動物的本能」に基づく役作り
舞台挨拶では、「自分に近いタイプのキャラクターは?」という質問に対し、広瀬さんは天才詩人・中原中也を挙げました。文学的な表現には馴染みがないものの、中也の「動物的本能」が自分と似ていると感じたそうです。この「動物的本能」とは、感情を素直に表現する力や、直感に従う姿勢を指しています。
広瀬さんの役作りにおいて、この本能的な要素は重要なポイントとなったことでしょう。彼女は、感情を押し殺すことなく、むしろそれを活かすことで役に深みを与えているのです。
キタニタツヤのソロ活動の背景
また、同じイベントに参加したシンガーソングライターのキタニタツヤさんも、自身の「赤い春」について語りました。高校時代、バンド活動に熱中していた彼は、ワンマンな指導スタイルが原因で安定したメンバーに恵まれず、現在はソロで活動しています。この経験は彼の音楽制作における独自性を育み、彼の作品に特有の個性をもたらしているといえるでしょう。
キタニさんが手掛けた映画の主題歌「ユーモア」は、そのタイトルが示す通り、彼の音楽スタイルにおけるユニークな要素を存分に発揮しています。彼のソロ活動は、音楽業界においても彼なりの道を切り開く原動力となっています。
映画『ゆきてかへらぬ』の魅力
映画『ゆきてかへらぬ』は、文化の百花繚乱と呼ばれた大正から昭和初期の時代背景を舞台に、実在した男女3人の複雑な関係を描きます。この時代の芸術や文化は、現代に至るまで多くの影響を与え続けています。広瀬さんが演じる長谷川泰子は、自身の夢と愛に真っ直ぐに向き合う女性であり、その姿は多くの視聴者に共感を呼ぶことでしょう。
映画の中で描かれる友情、尊敬、嫉妬といった人間関係は、現代においても普遍的なテーマです。観客は、これらのテーマを通じて自分自身の感情や経験と向き合う機会を得ることができます。
この映画を通じて、広瀬すずさんやキタニタツヤさんといった現在の若い才能が、どのように過去の文化と向き合い、それを自身の表現に取り入れているのかを見ることができます。彼らの活動は、次世代の表現者たちにとっても大きな刺激となるでしょう。
[伊藤 彩花]