旭化成陸上部の新時代:宗猛総監督が退任、三木弘氏が監督就任
旭化成陸上部の歴史的指導者交代:宗猛総監督が退任し、新たな時代へ
日本の陸上界において、旭化成陸上部はその名を知らぬ者はいないほどの名門です。長年にわたって多くの名選手を送り出してきたこのチームに、大きな変革の時が訪れました。2025年4月1日付で、宗猛総監督がその役職を退任し、新たに三木弘氏が監督に就任することが発表されました。この指導者交代は、陸上界にどのような影響をもたらすのでしょうか。
宗猛総監督の輝かしい功績と遺産
まず、宗猛氏のこれまでの功績を振り返ってみましょう。彼は大分県出身で、1971年に旭化成に入社しました。双子の兄・茂氏と共にマラソン選手として活躍し、1984年のロサンゼルス・オリンピックでは男子マラソンで4位入賞を果たしています。指導者としても数多くの選手を世界の舞台に送り出し、1991年の東京世界選手権で金メダルを獲得した谷口浩美氏や、1992年バルセロナ五輪で銀メダルを獲得した森下広一氏を育成しました。
彼の指導の下、旭化成陸上部はニューイヤー駅伝で最多26回の優勝を誇り、日本の実業団陸上における一大勢力を築き上げました。宗氏は「多くの選手を世界に送り出せたのは会社のバックアップと地域の皆さまのご声援のおかげ」と感謝の意を表し、今後もOBとしてチームを支えていくことを誓っています。
新監督・三木弘氏の挑戦
宗氏の後任として新たに監督に就任する三木弘氏は、1975年生まれの49歳。1994年に旭化成に入社し、選手としても輝かしい経歴を持っています。特に1999年の東京国際マラソンでは、2時間8分05秒という当時の日本人最高記録を樹立し、日本選手権を制しました。現役引退後は社業に専念していましたが、2023年にはヘッドコーチに就任し、再び陸上界に戻ってきました。
指導者交代が示す未来への期待
旭化成陸上部の指導者交代は、単なる人事の変更に留まらず、日本の陸上界全体に影響を与える可能性があります。宗氏の長年の指導によって培われた伝統と、三木氏が持ち込む新しい視点が融合することで、チームはさらに進化を遂げるでしょう。特に、三木氏が目指す「選手が最高のパフォーマンスを発揮して個人の目標を達成すること」という方針は、選手たちにとって大きな励みとなるでしょう。
[田中 誠]