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2025年03月04日 10時12分

押井守監督、『イノセンス』続編に意欲。条件付きで実現は?

押井守監督、『イノセンス』の続編に意欲を示す

2004年に公開され、10億円の興行収入を記録した押井守監督の作品『イノセンス』が、20周年を迎えました。これを記念して、4Kリマスター版が公開されました。それに伴い、押井監督とバトー役の声優・大塚明夫が登壇するトークイベントが開催され、集まったファンを前に感慨深いひとときを過ごしました。イベントの中で、押井監督は続編に対する意欲を示し、条件付きではあるものの「まだやり残したことがひとつだけある」と語りました。

『イノセンス』は、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の続編として制作され、舞台は2032年。少女型の愛玩用ロボットが暴走し、所有者を襲う事件が発生するという物語です。捜査にあたる公安9課のバトーとトグサは、電脳ネットワークを駆使し、謎のハッカーの妨害に苦しむことになります。押井監督は、この作品を「魂の恋愛」と表現し、草薙素子が去った後のバトーの物語に焦点を当てています。

続編への期待と課題

トークイベントの中で、押井監督は続編制作に対する意欲を示しましたが、「条件付き」であることを強調しました。その理由のひとつが、昨年亡くなった草薙素子役の声優、田中敦子さんの存在です。押井監督は、「素子をどうするのか?魂だけの存在ってわけにもいかない」と語り、田中さんの大きな影響力を示唆しました。この問題をどう解決するかが、続編制作の鍵となるでしょう。

『イノセンス』の持つ普遍的な魅力

『イノセンス』は、公開から20年経った今でも、多くのファンを魅了しています。押井監督は、20周年を記念して再びスクリーンにかかることについて「監督冥利に尽きる」と語りました。映画は通常、時間とともにその寿命を終えますが、この作品にはまだ多くの命が残っていると感じているようです。

また、4Kリマスター版では、オープニングシーンでの細かなディテールがより鮮明になっており、押井監督は「目を皿のようにして見てほしい」と語っています。20年前と変わらない作品の魅力に加え、技術の進化によって新たな楽しみ方が提供されています。

未来への期待

今回のイベントでは、押井監督と大塚明夫のトークに多くのファンが魅了されました。『イノセンス』が持つ普遍的なテーマや、押井監督の独自の世界観は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。続編の可能性に関しては、押井監督の「条件付き」という言葉が示すように、まだ多くの課題が残されているものの、その実現に向けた期待感は高まっています。

[中村 翔平]

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