ペップ・シティ、過密日程と怪我で揺れるシーズン
ペップ・シティの不安定なシーズンと過密日程の影響
マンチェスター・シティが今シーズン、これまでにない不安定な戦いを続けています。プレミアリーグ第28節でノッティンガム・フォレストに0-1で敗れたことで、ペップ・グアルディオラ監督率いるチームの問題が浮き彫りになっています。ディフェンスラインに続出する怪我人や、冬の大型補強にもかかわらず連勝を掴めない状況が、王者の影を薄くしています。この背景には、近年のサッカー界を取り巻く過密日程が大きく関与しているようです。
怪我人続出と過密日程の影響
サッカー界では近年、選手たちのスケジュールが驚くほど過酷になっています。マンチェスター・シティのロドリ選手が過密スケジュールに警鐘を鳴らした矢先に、自らが負傷しシーズンをほぼ棒に振ったことは記憶に新しいです。選手たちはEUROなどの国際大会からほぼ間もなくして、5月まで続くリーグ戦に突入します。このような現実は、選手たちのパフォーマンスに大きな影響を与えています。
アーセナルやトッテナムもまた、続出する怪我人に苦しんでおり、シーズン中に大きく失速しています。アーセナルのミケル・アルテタ監督は「かつてないほどトレーニングができていない」と述べています。これは、最低限のリカバリーだけで終わってしまうほどの日程の過密さを物語っています。怪我のリスクは高まり、実際にカイ・ハフェルツ選手の負傷離脱も過密日程と無関係ではないでしょう。
選手たちはパフォーマーかエンターテイナーか
プレミアリーグの主要クラブのパフォーマンスコンサルタントは、「私たちは彼らをパフォーマーとしてではなく、エンターテイナーとして扱っている」と指摘しています。選手たちは55試合以上に出場すべきではないという調査結果もありますが、実際に多くの選手がこの基準を超えてプレーしています。その結果、選手たちは十分な休養を取れず、身体的負担が増し続けています。
プレミアリーグには冬季休暇が存在せず、選手たちは3.5日ごとに試合をこなしています。これではファンが楽しむ一方で、選手たちは身体の限界に挑むことになります。そして、怪我人だらけのチームを応援するファンにとっても、楽しい試合観戦とは言えなくなるでしょう。
マンチェスター・シティとアーセナルの今後
マンチェスター・シティは、ペップ・グアルディオラ監督のもとで4連覇を果たしたものの、今シーズンの不安定さは目に見えて深刻です。次節では勝ち点差が1ポイントしか離れていないブライトンとの対戦を控えており、連勝を積み重ねることができるかが鍵となります。一方で、アーセナルはアンドレア・ベルタ氏を新しいスポーツディレクターとして迎え入れ、組織改革を進めています。彼の手腕が、クラブの新たな成功への道筋を描くことが期待されています。
[山本 菜々子]