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2025年03月12日 16時11分

安楽宙斗、プロクライマーへの転向を決意—スポーツクライミング界の新星

安楽宙斗、プロクライマーへの道を選択:スポーツクライミング界の新しい風

スポーツクライミング界に新たな旋風を巻き起こしている安楽宙斗選手が、18歳という若さでプロクライマーへの転向を決意しました。彼は先日行われた記者会見で、プロとしての活動開始を発表し、その決意とビジョンを明らかにしました。安楽選手は、昨年のパリ五輪で銀メダルを獲得し、日本のスポーツクライミング界において一躍脚光を浴びた存在です。そんな彼が、大学進学の道を捨て、競技に専念するプロの道を選んだ背景には、どのような考えがあったのでしょうか。

プロクライマーとしての新たな一歩

安楽選手がプロ転向を決意したのは、千葉・八千代高を卒業した直後のこと。彼は「一人の社会人として、大人として、プロクライマーという道を歩んでいきたい」との強い意志を表明しています。クライミングの道を究めたいという彼の思いは、同じく高校卒業後にプロの道を選んだ先輩、楢崎智亜選手からのアドバイスも受けた上でのものでした。安楽選手は、クライミングに集中する時間を持ちたいと考え、プロとしての道を選んだのです。

彼の決意は、パリ五輪での成果だけでなく、今後の目標にも現れています。3年後のロサンゼルス五輪では、金メダルを目指すとともに、「1年ごとに全力を尽くす」という姿勢を貫くことを誓っています。このような短期的な目標設定は、彼がプレッシャーに縛られず、柔軟に競技に取り組むための戦略とも言えるでしょう。

クライミングの魅力を広める使命感

プロ転向後の安楽選手は、競技としてのスポーツクライミングの普及・発展にも意欲を見せています。彼は「スポーツクライミングは競技としてまだまだ発展途上にある」と分析しつつ、「多くの人に魅力と楽しさを伝え、クライミングをより身近なものにしたい」との意欲を示しています。彼が強調するのは、クライミングの魅力を広く伝えることによる競技の発展です。

クライミングは、他のスポーツと比べるとまだ確立された練習法や環境が整っていない部分も多いですが、安楽選手はその点を「可能性に満ちあふれている」と捉えています。彼のプロ活動を通じて、クライミングがさらに多くの人々に親しまれ、社会的な認知度が高まることが期待されます。

未来を見据えた挑戦

安楽選手のプロ転向は、彼個人の挑戦にとどまらず、スポーツクライミング界全体に新たな可能性をもたらすものといえます。彼は、4月から始まるワールドカップや9月の世界選手権(ソウル)など、今後の主要な大会に向けて準備を進めており、「一番いい状態に仕上げて臨めれば」との意気込みを語っています。

このように、安楽選手はプロクライマーとしての新たな一歩を踏み出したばかりですが、その歩みはスポーツクライミングの未来をも切り開くものとなるでしょう。彼が示すのは、単なる競技者としての成功だけでなく、スポーツクライミングの魅力を世界中に広めるという使命感でもあります。彼の今後の活躍が、多くの人々に勇気と感動を与えることを期待したいと思います。

[田中 誠]

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