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2025年03月17日 16時11分

いしだあゆみさん逝去が示す甲状腺機能低下症の影響

いしだあゆみさんの死去が示す、甲状腺機能低下症の影響とは

1968年に発売された「ブルー・ライト・ヨコハマ」は、いしださんの代表曲となり、150万枚以上のセールスを記録しました。この曲は彼女の歌手としてのキャリアを確立し、NHK紅白歌合戦にも10回出場するという輝かしい実績をもたらしました。また、彼女は女優としてもドラマ「北の国から」や「金曜日の妻たちへ」、映画「男はつらいよ」シリーズなどに出演し、幅広い世代に愛され続けました。

しかし、いしださんの晩年は甲状腺機能低下症との闘いでした。この病気は、甲状腺ホルモンの欠乏によって代謝が低下し、様々な症状を引き起こします。一般的には慢性的な疲労感、むくみ、寒さに対する耐性の低下、声のかすれ、さらには心臓の機能低下や体重増加といった身体的な影響が出やすくなります。この症状は、いしださんのように高齢になるほど影響が大きくなることが知られています。

甲状腺機能低下症は特に中高年の女性に多く見られ、厚生労働省のデータによると、女性の約10人に1人が一生のうちにこの病気を経験するとされています。甲状腺は喉ぼとけの近くに位置し、体内のエネルギーを管理する重要なホルモンを生産する器官です。このホルモンが不足すると、体のさまざまな機能が低下し、生活の質に大きな影響を与えます。

いしださんの死去を受けて、甲状腺機能低下症の認知度も高まりつつあります。この病気は適切な診断と治療によって管理可能であり、多くの場合、ホルモン補充療法が効果的とされています。早期の検査と適切な治療を行うことで、症状を緩和し、生活の質を維持することができます。しかし、症状が多岐にわたるため、診断が遅れるケースも少なくありません。特に疲労感やむくみといった症状は、他の要因と混同されやすく、見過ごされることもあります。

いしださんの遺志により、葬儀は近親者のみで執り行われ、香典や供花などは辞退されました。お別れの会も予定されていないとのことです。彼女の静かな旅立ちは、彼女の人生哲学を反映しているように感じられます。

いしだあゆみさんが残した音楽や演技は、今も多くの人々の心に生き続けています。彼女の存在は、甲状腺機能低下症という病気への関心を呼び起こし、多くの人々が自身の健康について考えるきっかけを与えてくれます。彼女の功績を讃えつつ、より多くの人々がこの病気の対策を講じることを願います。彼女の音楽と演技、そして彼女の人生そのものが、これからも多くの人に影響を与え続けることでしょう。

[鈴木 美咲]

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