健大高崎、絆と戦略でセンバツ初戦突破!
健大高崎、絆と戦略で勝ち取るセンバツ初戦突破
選抜高校野球の華やかな舞台、甲子園での1回戦で、群馬の健大高崎高校が明徳義塾を3対1で下しました。この試合は延長10回に突入し、タイブレークの末に決着がつきました。選手たちの熱い戦いの背景には、仲間の絆と綿密な戦略がありました。
仲間と支え合う絆
健大高崎の先発投手、背番号10の下重賢慎選手は、チームのエースである石垣元気選手の不在を補うかたちでマウンドに上がりました。石垣選手は大会前に脇腹を痛め、出場が危ぶまれていましたが、下重選手はその思いを胸に、全力で136球を投げ切ったのです。試合前に石垣選手から「お前なら大丈夫だ」との励ましを受けた下重選手は、自信を持って投球し、最速154キロの速球を誇る石垣選手の存在を感じながら奮闘しました。
試合は一回から緊張感のある立ち上がりでした。下重選手は初回に制球を乱し、2つの四球を与えましたが、ベンチにいた石垣選手から「力むなよ」との声をかけられ、本来の力を取り戻しました。五回に同点に追いつかれる場面もありましたが、彼はその後のイニングで見事に立て直し、被安打を1本に抑えました。
タイブレーク制での戦略勝ち
この試合では、延長戦においてタイブレーク制が採用されました。タイブレークでは通常、先攻が不利とされていますが、健大高崎はこの状況を逆手に取りました。延長10回表に1死二、三塁のチャンスを作り、栗原選手が勝ち越し打を放つことで2点を追加しました。この得点が勝利を決定づけました。
タイブレーク制は2021年から本格的に導入されて以降、先攻のチームは成績が芳しくなく、通算で4勝8敗とされています。しかし、健大高崎はその不利を跳ね返し、実力と戦略をもって勝利を収めることができました。
青柳監督の指導力
健大高崎を率いる青柳博文監督は、この勝利で春夏通算21勝目を挙げ、戦後39位の記録となりました。青柳監督の下で、選手たちは持ち前のチームワークと個々の力を最大限に発揮しています。特に、プレッシャーのかかる試合での冷静な判断力と、選手たちの心のケアを怠らない指導が、チームの強さの源となっています。
今回の勝利は、選手たちの努力と監督の的確な指導の結晶です。彼らは次の試合に向けて、更なるパフォーマンス向上を目指しています。特に、石垣選手の回復が進めば、さらにチーム力が増すことでしょう。
[伊藤 彩花]