敦賀気比、岡部飛雄馬の活躍でセンバツ初戦を圧勝
敦賀気比、圧倒的な攻撃力でセンバツ初戦を制す
第97回センバツ高校野球大会の1回戦で、敦賀気比が滋賀短大付を15-0で圧倒しました。この試合で特に目を引いたのは、1番打者の岡部飛雄馬選手の華麗な3盗塁と、チーム全体の強力な攻撃力です。岡部選手は「巨人の星」の主人公の名を受け継ぎ、その名に恥じないプレースタイルでチームを牽引しました。
岡部選手は1回表、死球で出塁した直後に初球で二盗を成功させ、先制点のきっかけを作りました。その積極的な走塁は、彼が冬場に鍛え上げた技術と、相手投手の研究の賜物です。過去の公式戦でも11試合で11盗塁という驚異的な記録を持つ彼は、俊足だけでなく巧みな判断力も備えています。
小さな巨人、岡部飛雄馬の存在感
岡部選手の名前の由来は、1960年代に一世を風靡した野球漫画「巨人の星」の主人公、星飛雄馬です。彼は投手としても興味を持っていたものの、165センチと小柄な体格のため、打撃と走塁に専念することを選びました。その選択が功を奏し、今では敦賀気比の打線に欠かせない存在となっています。
小柄ながらも「小さな巨人」と称される岡部選手は、名前に負けない大きな活躍を見せています。彼の俊足と鋭い判断力は、まさにチームの攻撃の起点。センバツでの初戦突破は2016年以来9年ぶりで、彼の活躍が大きな役割を果たしました。
圧倒的な攻撃力で歴史を刻む
敦賀気比はこの試合で、15安打15得点という圧倒的な攻撃力を披露しました。これは、昨年の低反発バット導入以降の甲子園大会での1試合最多得点記録を更新する快挙です。打線全体が相手投手の緩い球を巧みに捉え、強い打球を生み出しました。途中出場の小西選手も3打点を挙げ、逆方向への意識を持って強く打ち抜くことができたと語っています。
この試合は、福井県勢がセンバツで2桁得点を挙げたのは10年ぶり6度目のことです。敦賀気比がセンバツでの最多得点記録を更新した今回の結果は、チームの歴史に新たな1ページを刻むものとなりました。
次戦への意気込み
次戦の相手は、連覇を狙う健大高崎(群馬)です。岡部主将は試合後、「普通にやっていたら出ないミスが多かった。次はないように声掛けをしていきたい」と語り、チーム全体で気を引き締める姿勢を示しています。
敦賀気比は、試合中にも細かいミスが見受けられたものの、それを補って余りある攻撃力と守備力を持ち合わせています。次の試合でもその力を存分に発揮し、さらなる勝利を目指していくことでしょう。彼らの戦いから目が離せません。
[佐藤 健一]